2023年6月1日更新
~人間の価値って何?~
人間の価値って何?というテーマで講演しました。
社会的地位や性別や障害の有無や生まれた場所、国籍etc・・・それで人間の価値は変わるものではないと頭では理解しています。それが自分の心の奥底で、本当にそう思えているか、というと、とても難しいです。仕事を持ち、友人と笑顔で交流してスポーツもしているといった、一見、充実して見える生活を送っていても、なおです。
これは障害者だけではなく、一般の人でも、心底、自分が一人の価値のある人間だと認めているでしょうか。
私の場合、自分を認められるようになった鍵は社会参加でした。具体的には仕事を持つということです。オットは結婚前から、それを望んでいました。
障害者と健常者のカップルというと、弱々しい障害者と、それを包み込む優しい健常者というステレオタイプで見られます。マスコミでも、そういう捉え方をします。
ただ、それだけでは幸せにはなりません。「嫌なことは何もしなくていい、僕がいつも、矢面に立ってあげるから心配ないよ」という相手であれば、私はいつも判断を他人に委ね、何でも人に頼っている。常に保護されている状態では、自分に自信が持てず、気持ちが不安定なままです。
私が彼に感謝していることは、私に期待をしてくれたことです。自分の世界を持って欲しいと望んでいたこと。具体的には、仕事を持って社会に出る事、それに伴う問題は大人ならば本人が解決するものです。君にはそれが出来ると期待してくれました。バリアフリーという言葉もない時代、障害者で仕事をしている人も少なかった頃です。
そして少しずつですが、自信を取り戻しました。劣等感も減り、前向きに障害を受け入れられるようになってきました。
私は誰かより価値が低いわけでも高いわけでもない。皆さまと同じ一人の価値のある人間だと、ようやく思えるようになりました。すると心が穏やかになり、
「ああ、もしかして今、わたし幸せなのかもしれない」と感じられるようになりました。
この気持ちを一直線に獲得できたものではなく、行きつ戻りつしながら、何十年も経った最近かもしれません。今頃かい!と、自分に突っ込みを入れたくなります。長いですね。
私の人生は人間としての価値を認めるための旅だったような気がします。
~雑談~
HPを毎月の初めには更新するようにしておりますが、5月が飛んでしまいました。
4月下旬にコロナを発病し、それ自体は10日ほどで脱したのですが、咳が止まらずドンドン疲弊していきました。
結局、平常に戻ったのは1か月ほど後でした。
髪の毛は抜けるわ、胃が長い間、重かったです。
コロナは5類になったので、風邪程度だろうと甘く見ていたら、とんでもなく苦しかったです。
弱った呼吸を戻すリハビリを受けたりしていました
どうぞ、皆さま、大事になさってください。