~ 前回のエッセイ ~


「友人」


 

温子さんと知り合ったのは、私が19歳の時、ドゴール空港で待ち合わせて一緒にモロッコに行った。私のミス・ネーションズコンテストにフランス語の通訳として付いてくれた。つまり車いす以前からの友人だ。彼女にとって、私が初めての車いすの知り合いとなる。退院して数年は、新婚のオットより頻繁に会っていた!ので、彼女の介助の仕方は“私が基本”として身についている。この10年は疎遠になっていた。子供の有無で生活環境やスタイル、興味も違い、半年も会わないこともあったが、いつ再会しても、慣れた介助は心地よい。そんな仲良しでも、始終会っていると 気持ちの行き違いも有り、煮詰まってくる。夫婦でも一日一緒にいると癇に障ることが出てくる!くらいなので、なおさら友人との付き合いは気をつけないと長続きしない。近すぎると、小さなことの積み重ねが許せなくなる恐れがある。そんな時は、そっと離れることが大事。夫婦間でも、たまに独りで旅をしていると、相手への思いを再認識する、有難味を感じることがあるように時間と距離を開けることは重要だ。

また、あんなに一緒にいた昔の友人と再会した時、どこか話しが乗らず居心地が悪い。それは、距離をおく時だ。もし意気投合すれば僥倖だ。基本的には独り行動が良いと思っている。気持ちの上でも頼らずにひとりで居ることが楽しい、そこに誰かが入っても構わないというスタンスがいい。

先日、温子さんと大人の遠足をした。横浜中華街駅で待ち合わせて、港の見える丘公園で秋のバラを見た。中華街で道に迷い徘徊状態になる。11月中旬までは、山下公園の薔薇をお薦めします。その後、日本武道館のコンサートに行った。

温子さんは、いつ見ても自然体だ。髪を染めない主義で、白髪を気にせずモデルをやっていることに勇気が要るのでは、と思うが、“自分”というものを持っている。職業柄、太ってはいけないのだろうが、ご飯はお代わりするし、大盛りにしてもらっているのには驚く。私は太りやすい体質で、ご飯は少なめにしている。お肉屋さんの前を通るだけで太る(ホンマか!)気さえするくらい。温子さんは常にスレンダーだ。私より4つ年上です!と、黒い私がささやく。本人曰く「私は努力している。」らしい。

美しい秋に、大人の遠足もいいですよ。

 

 

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