6月のおしゃべり

6月おしゃべり写真

撮影 森田正文

「神社仏閣と車いす」


菖蒲の美しい季節です。先月は仲良しの友人、河合夫妻と京都で待ち合わせて葵祭と永観堂に行きました。その日は異例の30度の暑さでした。葵祭では、道を挟んだ向かいの席の舞妓さんが日に焼けないように扇子で顔を覆っていました。友人の尚美ちゃんとお喋りしながら、「日焼けした舞妓さんはまずいよね。」「それより白塗りと着物で熱中症にならないのかしら」「若いから大丈夫なのよ」・・・そのうちに自分たちの方がフラフラになってきました。

今月もおしゃべりの相手は、中野佐世子さんです。

 

教育ビデオをご紹介します。

~合理的配慮と職場のコミュニケーション~ 心のバリアフリーをめざして
(株)自己啓発協会 http://www.e-head.jp/
これは、「働く障害者に必要な配慮とは?職場でお互いがいい距離感でコミュニケーションを築くには?」を

考えるきっかけになるような教材です。

 

歴史的建造物とUDの共存は難しいかもしれないと思います。保存すべき大事なものを何がなんでもUDにして欲しい、とは思っていません。また持っている雰囲気が壊れる場合も同じです。本来の良さを保存しておきたいという気持ちでいます。その上でUDにできるなら嬉しい。その意味では車いすで行けるところのほうが数少ないかも。最近はネットで、車いすでも参拝できるところを検索できるようになり助かります。

 

神社やお寺へのアプローチは砂利道が多いですし、石畳や飛び石などもありますから、車いすで進むのは至難の業ですよね。

さらに本堂に着いたら必ずと言っていいほど階段がありますものね。超高齢社会の今、階段の脇にスロープを付けてバリアフリーに努めてくれているところも増えてきていますが、まだまだ車いすでの行動には相反するというイメージを持ちます。

ひとみさんは神社やお寺にお参りすることはありますか?

 

友人から「神社の本」を借りたのをきっかけに、今年に入ってから、しょっちゅう参拝しています。たまたま近所の神社がほぼ障害無く行けます。この方が珍しいみたいです。ネットで、車いすで行ける神社を検索したら結構ありましたが、それでも1割にも満たないと思います。明治神宮は車いすでも行ける一つです。都心にありながら高い木々の陰に入るとひんやりする感覚、静寂さは気分を鎮静してくれます。正にオアシスです。自分と向き合いたい時にもいいでしょう。

 

私はよく京都に行きます。神社も沢山参拝しますが、車いすで砂利道を進むのは辛いでしょうね。押すのもコツが必要かとおもいますが、乗っていても快適ではないのではないでしょうか。お尻、すなわち褥瘡に良くないのでは、と心配します。

 

確かに、振動は脳天にきますし、褥瘡を持っている人には不向きですね。前輪が砂利で沈んで動かなくなるのを防ぐために、少し、前輪を浮かす(ウイリー)か、後輪に体重をかけて、前輪に重みがかからないような漕ぎ方が必要です。押す場合も同じね。電動車いすは馬力があるので、グングン進みます。冒頭で書いた通り5月に岐阜の友人、河合夫妻と待ち合わせて京都で葵祭を見学し、永観堂に参拝しました。車いすユーザーがひとりではなく2人、3人と複数になると、かかる時間は1人+1人は2人ではなく3人だったり、1人+2人は4人、5人というくらい、足し算というより2乗、3乗に時間がかかるイメージです。それはモタモタしているからではなく、たとえば、リフトの上がり下りの時間の長さであったり、バスでも車いす一人だけを乗せるという発想しかないところに2人がくると、別のバスを待つ、たまたま次が車いす対応ではなく、さらにいくつものバスを待つ、という具合に想定できない状況が増えるためです。

ところが、京都は車いすユーザーが沢山訪れるからでしょうか、いろんな場面で慣れている事業者が多くて、運転手さんも素早く、しかも1台(バス)に2台の車いすが乗れてしまった!地下鉄もすぐに来たものに乗れて、どこに行くのも一般のユーザーと変わらない所要時間で助かりました。

 

 

永観堂の尚美ちゃん ←永観堂

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葵祭 京都御苑(砂利が深い)

ジャリ道にもまけず
日焼けにもまけず
風にも30度の暑さにもまけぬ
丈夫とは言えないからだをもち
欲もあり
時々怒って
いつも大笑いしている
(「雨ニモマケズ」風に・・・)→

 

 

永観堂はもみじで有名ですね。私は何度も行っていますが、UDだったとは気づきませんでした。すべてのところに入れた、見られたということですか?

 

お部屋に入る敷居は高く、人がいれば入れますが、自力で、というわけには行きません。しかし、それ以外のほぼ9割がたは入れますね。玄関から入ってすぐに、ぞうきんでタイヤを拭いてくださるのには恐縮しました。リフト、そしてエレベーターがあり、それが古い建物にマッチしていている、機械の音も静かです。だから佐世子さんも気づかなかったのかもしれません。この日、たまたま法要があり、10人ほどのお坊様と廊下ですれ違い、尚美ちゃんと私は縦に並び、頭を垂れていました。後で写真を見ると押しの強そうなおばちゃん達に見えました。(尚美ちゃん、ゴメン)もみじの頃は参拝客も多くて車いすはご遠慮ください、とのようですが、この時でもお庭には入れますので、それでも十分楽しめます。お庭から山に目を向けると、その中腹にあるお寺の屋根が見えました。「私達、あんなに高いところまで行けたのね」と2人で感嘆の声を上げました。

 

感動するわね。山に貼りつくようなお寺の建物で、まさか入れるとは思わなかったところに入れた喜びは、私達一般の者以上に喜びを覚えるでしょう。

 

そうですね、入れないところを数えて嘆くのではなく、入れるところをドンドン訪問していくということかしら。そのうちに入れるところが更に増えると思うわ。そうしたら、またそこに行けばいい。佐世子さんだって、すべてのところに入れるからって、そのすべてを訪問するわけではないでしょ。

 

ネットで調べて入れるところも紹介されていますが、この永観堂はホームページには出ていませんが車いすでアクセスできます。そういう奥ゆかしい?謙虚さもいいのですが、ぜひ、HPに載せて、他のユーザーにも喜びを分けて差し上げたいわね。(*注) 

ところで、タクシーではなくバスで行った理由は?

 

はい、今回は簡易電動車いすで行ってみました。残念なことに、これは重いので、タクシーのトランクに入れることは憚られました。平気よ、という友人もいますが、26キロほどあります。京都のバスは2台の車いすを同時に乗せてくれた上、素早いので助かりました。運転手さんがモタモタしている(失礼)と、車いすユーザーは他のお客様に大変気兼ねします。しかし、慣れた対応で、私達もお客様もストレスなく乗っていられたのでは、と思います。

 

地下鉄はいかがでしたか?

 

はい、すぐに来たものに乗せてくれたのには助かりました。改札口に居る駅員さんに声をかけると「自分でホームに行って最後列に移動してください」と言われました。エレベーターを降りて、そこが最後列なのか分からず、ほんの少し待機したのち、人に尋ねて最後列に移動しました。待っていた駅員さんが、私が来ないので帰ろうとしていたところでした。サッサと対応してくれてサッサと見極める辺りのドライさ!は好きですが、年配の車いすユーザーでは、戸惑うのではないかと思いました。若い駅員さんの早口で小さな声も聞き逃さないように耳をそばだてて、瞬時に言われた通りに実行する、ということね。私も、緊張して聞いていないと聞き逃しちゃうかもしれません。若くも無く、高齢でも無い中途半端な年齢で、一生懸命、年齢に抗っています!

 

それも社会性のリハビリと言えなくはないですが、その土地を初めて訪れる人にも分かるような説明の仕方をしていただけるといいわね。また、交通機関にしても地域差や会社によって対応が違っているのではないかと思います。そのあたりも、またお話しして下さい。今回、永観堂のUDは、ほんのさわりだけをお聞きしました。 他にも感じたことが色々おありでしょうから、別の機会にお話しを伺えるのを楽しみにしています。

更に暑くなる季節です。皆様、体調に留意されますように。

お読みくださり有難うございました。

 

*注)永観堂のホームページでは見つかりませんでしたが、京都ユニバーサル 観光ナビ 

に詳しく出ています。 さらに、永観堂←ココをクリックしてください。お薦めします。

 

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