6月のおしゃべり~車いすユーザーの心理と車いす

新国立美術館で草間彌生展鑑賞。私にはコンテンポラリーは理解できませんが、この表現のイメージ!です!
 

車いすには電動、と手動(手でこぐ)の2種類があります。電動は100キロ近い従来型(馬力有ります)とヤマハ他に代表される簡易電動(電動自転車の車いす版)の2種類が主流。簡易電動はヤマハの物で、ユニットが25キロ、それに車いす本体が10キロ強ですから、35キロから40キロということね。手動は折りたたみと固定(畳めない)の2種類があります。手動の車いすは、パンテーラのカーボンで5キロというのがありますが、軽くても8キロ。アルミで10キロから13キロ。チタンで9キロくらいかな。今回もお話相手は中野佐世子さんです。

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一緒にお出かけするときは車いすを漕いでいるよね、時々私もサポートするけれど、車いすは何種類が持っているのかしら?

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はい、自分で漕ぐタイプと簡易電動の車いすを持っています。自分で車いすを漕いでいる人が電動に乗ることは“怠け者”というイメージをもっていました。日本人の大好きな「根性ドラマ」を体現していたのよ。ただ障害で汗が出ないので、夏は外気が30度超える中で漕ぐと益々上昇するわ。自動車を運転して出かける以外に車いすを漕ぐのはつらいわね。それでも仕事で、どうしても電車に乗らないといけない時は、がんばって駅までは漕いで、上がった体温を冷房で鎮めるのに一苦労、1時間以上か、もっとかかるわね。一度籠もった体温はなかなか下がらない。その後ダメージが残ります。だから、簡易電動を手に入れて行動範囲が広がったわ。もちろん、外が暑いのは同じですが、格段に楽です。30年も、根性ドラマをやっていたとは、間抜けな話ね。

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その変化は本人の意識?周りのアドバイスもあってのことかしら?

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障害を取り巻く人の意識は、今も変っていないところがあります。頑張って車いすを漕ぎましょう、とね。言うほうのあなたが漕いでみろ、と言いたい。キャッ!さて、よく、バリアフリー、UDの街作りで言われていたことは、ある駅にはエレベーターが有り乗車できても、降りる駅に無いことが多いと。それは行けるところが点であって、線にならないので、結局は出かけられないと言う意味ね。最近は点が線になり、その線が1本、2本ではなく縦横無尽?なくらい多くの線が繋がり助かっています。電動に乗って発見したのは、その線が面になるという感覚です。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、車いすを漕げても、1キロ2キロ漕ぐのが平気にはならない。歩く人が10キロはちょっとつらいなとおもう感覚が車いすなら1キロ(個人差がありますが)くらいのイメージかしら。自転車なら平気よ、という感覚が電動車いすに乗る負荷と一緒かな???だから、道に迷ったとしても、もしかしたら平行しているあの道を通ると、どこに出るのかな、と無駄?に動くかもしれない距離!ですら許容出来るのよ。結果その周辺を網羅するようになった。それが線ではなく面になったという意味ね。自分で漕ぐのだったら、そんな無駄な力を使う危険を冒せないわよ。

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最近は高齢者がよく乗る3輪のもの、あれもそうね。歩道を通れるのよね。というより、歩道しか通ってはいけないということですが。よく横倒しになってけがをするということを聞いたわ。運転が難しい?ということ?

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そう。不自由な体の人が乗っているのだから、か~んたん、などと思っていたら、侮れません。それと自分で漕ぐ場合は前輪上げ(ウイリー)して段を乗り越えますが、電動は出来ません。一応、前輪の直径の3分の一は乗り越えられるということは計算上では成り立ちますが、実際には腕の力(手動車いす)、電動の馬力によるので、簡易電動なら3センチが限度かしらね。だから、段差の無い車道の方がストレスなく走行できる。それが事故の原因にもなる、というアンビバレントな皮肉ね。前輪が段を乗り越えられなくて、ガツンと当たった場合、車いすは留まり、衝撃で体だけ前から飛び出す、と言うこともあります。また、急な上り坂で後ろに体重をかけるとひっくり返る恐れあり。転倒防止のストッパーは有りますが。そういう時、私は前傾姿勢を取ります。前を重くするのよ。また段を片輪だけ越えてからもう片輪を越えるとか、ちょっとした技?も必要になります。

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私など運動が嫌い!だから、乗りこなせないかも。動ける範囲が面になったのはハッピーよね。でも3センチほどしか上がれないのなら、入れるお店も限られてくるわね。それが今後の課題ね。ずっと前は線にならない、点でしかなかったことを思えば、アクセスなどインフラ整備が整ってきたということね。きっと地域によっても、まだ差があるのかもしれませんが。今や、外出して車いすの人を見ないことは無いと言うくらい普通の風景になってきたわね。出ることに抵抗がなくなってきたし、誰も驚かない。公共交通機関のUDのみならず、お店などの民間のところまで踏み込めるといいわね。

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そうね。インフラ整備が進んだのも、高齢化で障害者が増えたということも影響大ね。マイノリティーだった層がマジョリティーに近くなってきたことがあるわ。これが見逃せないマーケットということ。まずは先行して公共のインフラ整備。自由を手に入れたアクセス障害者のハードルが低くなり、ドンドン出かけお金を落とす。購買を刺激する、その人向けの商品が開発される、買い物に行けば友人と食事をする。劇や映画だって見に行く。そういう普通の自由を手にいれた。それがまた良いスパイラルになって効果を上げる。

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それにしても、3センチしか上がれない車いすをもっと改善してほしいし、お店の段や間口を広げるなどのハードルも下げて欲しいわね。私たちだって、いつまでも元気でいるわけではないし、自分が元気でも家族全員が元気でいられるか、など保証はない。昔に比べると驚くくらいありがたい進歩なのでしょうが、つい、もっともっとと要求しちゃうわ。日本の技術は素晴らしい、私たちの誇りです。さらなる開発を期待したい。もちろん海外のものだってウエルカムです。

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外出の話しの続きで、次は車いすユーザーが荷物を運ぶ工夫をご紹介するわ。

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そう、前から思っていたの。ちょっと大きな荷物、旅行などの荷物はどうしているのかしらと。宅配便を利用するのかしら、と。

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そうね。大きなスーツケースを独りで運ぶのは無理ね。でも二泊くらいなら車いすでも持っていけるのよ。次回、私の友人からの情報も交えて写真で紹介します。是非、読んでくださいね。

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