1月のおしゃべり

 

201901おしゃべり 

 

「旅」


旅は好きですか?旅は気持ちを癒されるだけではなく、やる気や気づきの効果も大きい。

中には、人生の方向まで変わる人もいます。自然と自分を俯瞰して見られる、あら不思議、問題の解決の糸口を見つけたなんて、いろんなものを開眼させる力があります。

あなたはどんな旅が好きですか?一度では語りつくせません。

まず、今回はクルーズに焦点を置いて話しましょう。

今月もおしゃべりの相手は、中野佐世子さんです。

 

教育ビデオをご紹介します。

~合理的配慮と職場のコミュニケーション~ 心のバリアフリーをめざして
(株)自己啓発協会 http://www.e-head.jp/
これは、「働く障害者に必要な配慮とは?職場でお互いがいい距離感でコミュニケーションを築くには?」を考えるきっかけになるような教材です。

船旅がブームらしい。佐世子さんは船旅をなさったことがありますか?

ほんの数時間の遊覧から、人によっては世界一周なんて行く人もいますが、2泊3日や

一週間から10日間が人気のようです。

 

<船旅>は憧れです。時間と資金に余裕のある人が楽しむイメージですね。遊覧船やフェリーでの移動なら何度もありますが、船旅は一度しか経験がありません。それもかなりレアなケース。大学生の時、小中学生を連れて大型船で鳥島を廻ってくるという子どもキャンプのリーダーとして乗船しました。2泊3日でしたが楽しかったです。

台風の影響を受け、1日目から波が高かったので、子どももリーダーもダウンしてしまい、部屋から出られない人も多かったのですが、私は全く船酔いをせず、元気な子ども達とゲームをしたり、プールサイドで本を読んだりしていました。もう30年以上前の事です。

あぁ、宝くじに当たったら、世界一周旅行に行ってみたいわ。

 

 

鳥島に行った人は、初めて聞きました。どんなところでしょうか・・・・。

さて、船旅は高級なイメージがありますが、今はいろんなタイプが有ります。それが船旅ブームの理由の一つでしょうね。高い料金の船や部屋も有りますし、同じルートを船ではなく行く費用より、船の方が遥かに安く行けるというくらい、リーズナブルな船もあります。

佐世子さんはお仕事柄、長く休みを取ることは難しいかしら。車いすユーザーの場合、自力で大きな荷物を持てないため、連れが二人分を持つことになります。ホテルを変える度に二人分の荷物の移動は大変。その点、船の場合は一度積み込めば、動くホテルとなります。自分が移動しなくても寝ている間に次の場所へ移動してくれている。高齢者にとっても、また体が何でもない人にとっても楽ですね。

 

 

ひとみさんは船旅の経験があるのね。教えて下さい。

やはり退職なさった高齢者の比率が多いですか?

 

 

はっきりした数字は分かりませんが、目算では高齢者比率は高く感じます。大きな船はエレベーターが10基以上も有り、ほとんどフラットですから散歩やジョギングも出来ますので、リハビリには適しているかもしれません。運動不足にならないようにダンスの教室やストレッチ、プールでのプログラムもありますし、大きな船になるとテニスやスカッシュ、スケート場まであります。趣味の教室や講演会もあったり。ディサービス予備軍(失礼)としては退屈しないようにいろんなものがありますね。でも私は何もしないで本を読んでいるのが一番好きです。そうだ、洋上では電波が入りません。24時間夫婦がずっと近くに居るので、険悪になっている人たちも見ましたよ。定年になった夫が「この旅は妻へのプレゼントです」という言葉にいたく感動していた私が、次にその妻に会ったら、嬉しそうな顔どころか、「私は、そんなに来たくなかったわ。」と吐露していました。船旅と引き換えに自由を奪われた妻なのだろうか?「亭主元気で留守がいい!」オット定年後の日本の夫婦が試される船旅なのかも・・・。

 

 

前述のとおり私は船の揺れにも強く、一度も乗り物酔いをしたことが無いのですが、

ひとみさんは大丈夫ですか

 

 

私は強いほうではありません。ステビライザー(揺れを抑える装置)は付いていても、やはり揺れます。寄港地で降りるとホッとします。船にはマッサージが充実していますし、鍼師が乗っている時もありましたね。しかし、揺れの中で刺してもらう気分にはなりませんでした。船酔いに利くツボに刺してもらうといいのかもしれません。一度、大しけのことが有りました。船酔いのひどい人は吐くものがなくなって血を吐いても、なお吐くという気の毒な状態でした。船は、その覚悟が必要ですね。私は船の医師から処方された薬が日本のものより強力で、昼にいくらでも寝られるので夜が心配でしたが、夜も寝られる、とにかくずっと寝続けられるくらい気持ちよかったですが、陸に上がってから胃が気持ち悪くて、楽な分のつけを払わせられました。

 

 

薬は日本で購入して持参したほうが良さそうですね。

そう言えば、船は避難訓練が義務付けられていますね。障害もある人、高齢者も、

もちろん参加されるのでしょう?。

 

 

それは乗客、乗員全員参加の義務があります。皆、救命胴衣を着用し甲板に出て指示を受けます。お風呂に入っていようとエステを受けている最中でも、即座に集まります。(あらかじめ日にちと時間の予告は有ります)

初めて乗った船がコスタコンコルディアで4000人乗り?大きな公団住宅が動いているような感じでした。14階あったような。避難訓練もしましたが、まさか自分の乗った船が翌年に座礁して亡くなる人が出るとは信じがたい。

 

 

2012年の転覆事故ですね。あれに乗ったことがあったのですか…。

他にも乗船したことがあるようですが、どの船も船内はUDですか?

 

 

パブリックスペースは、ほぼUDです。階段、エレベーターがあり、ボーデングブリッジ(船に乗降通路)は、スロープながらガタガタで滑らかではないので、介助人の助けで乗り降りをします。

一度、スロープではなく階段状の橋を渡している時に、「両脇から体を抱えて欲しい」と頼んだら、規則で体に触れてはいけないので車いすを持ち上げると言われたことがありました。ヨーロッパの船ですが、日本では、介助は直接体に触れることは当然?致し方ないこととして標準になっていますが、ヨーロッパでは体に触れる介助はしないというのが主流のようです。

これはセクハラの意味よりも、腕を持つと肩が抜けるなど、いろんな個人的理由があるので体を不用意に持ってはいけないようです。

船室に関してはUDではないですね。車いす対応の部屋は、かなり少数ながら有ります。その意味で、そこだけバリアフリーということね。他は狭い部屋から特別な船室でもバストイレの扉の下には20センチほどの段差があります。全てをバリアフリー、つまりUDに出来ないことは無いのでしょうが、船室を作る効率性を追求すると段差があったほうがいいということのよう。しかし、船は高齢者率が高いので、まず車いすの部屋は取れません。それだけ人気のある段差の無い部屋ならば、数を増やしても良いのではないかと思います。

歩いている人でも、その部屋を好んで取る人もいます。(船会社によって、車いすであるために、その専用の部屋を取りたい旨を証明するものが必要なところと、そうでないところがあります。)車いすの場合は、部屋の設備が壊れていても、他の部屋に移ることもできないので、そこで我慢しないといけません。段差の無い部屋がほとんど無いからです。

 

 

高齢化に伴い、これからは船内のデザインがもっとUDになっていくのを期待したいですね。

寄港地では色々なオプショナルツアーに参加できますか?

 

 

出来ないほうが多いです。8つプログラムがあったら、1つか2つは出来ます。

でも、申込み用紙に、そのことを詳しく書いてあるのは親切です。

例えば、1は健脚な人。2は歩行可能な人。3は車いすOK。4は数段あります。5は・・・。などと分かりやすいために申し込んでから断られるということは無いですね。

 

 

色々お話を伺っていると、車いすユーザーにとって船旅は制約が多く、大変な気がします。ひとみさんは船旅は好きなのですか?

 

 

ん~~。私は大地に付いている方が好きかな。いくら避難訓練をしていても、車いすユーザーの場合、他の人より助からない確立は高いと思うわ。たぶん何も起こらないだろうと思って乗っていますし、そうなったら運命だとも思っています。しかし死んでもいいから船が大好き!とまではいきませんわ。陸でレンタカー借りて移動するほうがいいかな。

ただ、荷物持って電車や飛行機に乗らなくても、寝ているうちに次の場所に連れて行ってくれる利便さ。また海の方からしか見られない景色、氷河が崩れる場面などは魅力です。毎夜行われる踊りや歌、劇やカジノもあり退屈しない工夫を考えてくれているのも楽しいかも。でも、私はそういう賑やかで、しょっちゅう、どこかへ寄港する旅ではなく、どこにも着かず大西洋や太平洋を横断するだけの船旅をしてみたい気がしています。あまり人気が無いようですが、その分、乗客はぐっと減り静かです。その上、電波も届きませんので、それを退屈に思う人には不向きですね。

船室のバリアフリー事情や日本の船と海外の船の違いなど、まだまだお喋りしたいことは尽きませんが、またにします。今年もどうぞ、宜しくお願いします。

 

 

皆さま、どうぞ良い年になりますように。今年もよろしくお願いします。

 

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